遺産相続ジャスティスCLUB

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2009年10月29日

混合取引? 現物配当と損益の認識

 旧商法時代、会社が現物での配当(現物配当)ができるかどうか、議論が分かれていました。しかし、会社法においては、株主総会の特別決議を経ることにより、現物配当ができるようになりました。配当財産について制限はありませんが、配当を行なう株式会社の株式、新株予約権、社債は配当財産として交付することはできません。

(1)会計基準と現物配当
 一方、会計基準でも、会社法の規定を受け、現物配当を行う場合は、原則として配当財産を時価で評価し、帳簿価額との差額は、配当の効力発生日に属する期の損益として認識し、配当財産の時価でその他利益剰余金又はその他資本剰余金を減額することと定めました。具体的に会計処理で示せば次の通りです。

 設例、甲社は、定時株主総会で配当原資を繰越利益剰余金とし、有価証券(帳簿価額500万円、時価600万円)を株主に現物配当しました(源泉徴収は無視する)。

①株主総会の決議日(単位:万円)

  繰越利益剰余金 600/未払配当金 600

②配当財産の分配時(効力発生日)

  未払配当金 600/有価証券 500
              譲渡益   100

(2)法人課税と現物配当
 現物配当に関しては、法人税法上特段の措置を設けていませんが、次のような理由から、現物配当を行った法人は、当該資産の含み損益を認識し、配当を実施した日の事業年度の課税所得の損金または益金を構成するとする考えが支配的のようです。

①金銭以外の資産を剰余金の配当として交付する場合は、交付会社にあっては、法令に当該資産の価額を利益積立金額から減算すると規定されている。
②一方、現物配当を受領した株主 においては、当該剰余金の効力発生日における当該資産の価額を受取配当の額として認識する旨が法令解釈通達で示されている。
③現物交付の段階で含み損益を認識しないと永久に 課税の機会を失ってしまう。

 しかし、現物配当は、法人が行う「利益」または「剰余金の分配」で資本等取引であり、さらに、明文規定がない以上、損益を認識するとする見解には疑問が残ります。また、消費税法における課税資産の譲渡等に該当するかどうか検討の余地もありそうです。資本取引と損益取引の両方を併せ持った「混合取引」の存在を認識することになるのでしょうか

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