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2010年6月25日

IBMスキームと税制改正

IBMの節税スキーム
  1. 米IBMは2002年にAPHという持株会社を日本に設立。米IBMが持つすべての日本IBM株をこの持株会社に2兆円で売却。
  2. 日本IBMは持株会社から自己株の一部を3回に分けて5千億円で購入。持株会社に税務上の4千億円の赤字発生。
  3. 2008年に連結納税制度を導入。持株会社の税務上の赤字と、日本IBMの生み出した税務上の千数百億円超の黒字を相殺し、三百数十億円の納税額を圧縮。

自己株による損金発生のメカニズム
 推測するに、購入株式5千億円に対応する日本IBMの資本金等は千億円。5千億円との差額4千億円はみなし配当となり、かつ譲渡損となるが、配当は益金不算入、譲渡損は単純損金。
 これに対して、国税当局は、法令の乱用として4千億円の赤字を否認し圧縮納税額を追徴したと報じられています。

税理士会機関紙で公開の節税手法
 M&A等で買ってきた子会社株式の取得価額が高い場合には、子会社から配当を受ける代わりに、子会社にその株式を自己株式として取得させることにより、受取配当金の益金不算入と譲渡損の計上で、税務上の損金を多額に計上することも可能である、との節税手法が東京税理士会の機関紙で紹介されたことがありましたが、今回は配当代用自己株取得ではなく、連結納税導入の手口でした。

法令の乱用とは行為計算否認のことか
 こういう手法の中で、特に親会社が子会社に自己株を買い取らせるということについて、節税以外にその行為選択の理由がないとすると、行為計算否認規定が適用される余地大とするのが常識です。
 情報によると、これら類似の隠れた節税手法は他にもありそうで、IBMスキームは否認しやすい事例だったようです。

今年の改正税法で手当
 多々あったであろうこの手の節税手法を封ずるために、今年の税制改正で、完全支配関係にある内国法人の株式を発行法人に対して譲渡した時には、みなし配当の額は生じ得るが、譲渡損益はないこととされました。改正税法の適用は10月1日以後です。

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