遺産相続ジャスティスCLUB

遺産相続ジャスティスCLUB

2010年8月30日

未知のままの節税潰し

 息子に新規の会社を設立させて、親がオーナーの会社の主要な事業と資産を息子の会社に無償で吸収分割させて、親の会社はもぬけの殻にしてしまっても適格組織再編として課税関係が生じず、株主構成を根本的に変える効果を発揮してしまう・・・。

非按分型適格組織再編
 しかし、こんな話は聞いたことありませんでした。この行為は無対価組織再編と言われています。無対価組織再編なんていう言葉は聞くだけで難しそうだな、という印象を受けます。でも、大会社のグループ内再編では無対価組織再編は通常のことで、会計基準もあります。
  ただし、税法については今年の改正によってはじめて「無対価」という明文の規定創設がされたところです。とはいえ、明文規定の有無に拘わらず、現実に無対価組織再編は行われていたので、現行税法規定で律せられていたところです。

実行には勇気がいるがもう間に合わない
 新規定は今年10月1日から適用ですが、9月30日までの法律では、適格会社分割については、分割承継法人の株式以外の資産が交付されないもの、としていました。無対価はこの規定に合致していたのです。組織再編では無対価は適格に含まれる行為で、その結果冒頭の事例のようなスキームが企図され、あり得ないと言われていた非按分型適格組織再編が実質的に可能になってしまっていたと思われます。

目的を以てさりげなく改正
 無対価に係る明文規定創設の目的は非按分型組織再編潰しと思われます。改正規定の最も典型的なものは「一の者」という言葉です。これに触れている解説書は今のところ皆無なのですが、この言葉は法律と政令に100回近く出現します。9月30日までの法律では例外なく、個人の場合は「一の者」の後に( )書きをつけて、同一親族グループを意味するものにしていました。それが10月1日以後の法律では、組織再編の場面ではことごとく( )書きのない「一の者」になっています。 

知られないままの封じ手
 冒頭の事例のような、父親の会社と息子の会社は、新規定では、別々な「一の者」により支配される会社になりました。10月以降は、冒頭の事例は適格要件を欠く組織再編の事例ということになりました。
  多くに知られないまま封じられることになった節税策だったのかもしれません。

| 遺産相続ジャスティスClubのトップへ戻る |

遺産相続ジャスティスCLUBの新着記事

外国人を雇用する際のポイント

経済社会の国際化の進展で、外国人労働者を活用したいという企業ニーズも高まっていますが、・・・

マイナスの利積資積と清算所得廃止

利益積立金とは 現在の税法では利益積立金とは「法人の所得で留保している金額をいう」とさ・・・

未知のままの節税潰し

 息子に新規の会社を設立させて、親がオーナーの会社の主要な事業と資産を息子の・・・

離婚の際の財産分与 相続時財産分与との矛盾

離婚時財産分与では取得者非課税 離婚の際の財産分与では、分与を受けて財産を取得する側は・・・

最高裁二重課税判決の波及効果

二重課税禁止最高裁判決の計算構造 先月7月6日の年金二重課税禁止最高裁判決の新判例は、・・・

離婚の際の財産分与 何故あげる側に課税なのか

離婚の財産分与では分与側に課税 離婚の際の財産分与では、分与を受けた側には贈与税も所得・・・

最高裁二重課税判決の計算

最高裁二重課税禁止判決の所得計算 年金への所得税と相続税の二重課税を禁ずる先月7月6日・・・

111歳事件と相続申告

即身成仏と即身仏  30数年前、「即身成仏する」と自室に閉じこもり・・・

最高裁二重課税判決の意義

最高裁二重課税禁止判決の独自内容 年金への所得税と相続税の二重課税を禁ずる先月7月6日・・・

仕事のゲーム化

 野球やサッカーのゲームはテレビ観戦でも面白いし、競技場へ足を運んでプロの試合を実際・・・


初回面談は無料です お気軽にご連絡

お問い合わせフォーム

〒134-0088東京都江戸川区西葛西5-6-2 第28山秀ビル6F

ページの先頭へ戻る